「DABO PRESENTS B.M.W. -BABY MARIO WORLD- vol.1」

SL-782007-03-01



1.My World feat.SIMON
2.2 Funky C.E.O.(前人未到) feat.BIG-O,KAYZABRO
3.自由帳 feat.晋平太
4.World Is Yours feat.ZEEBRA
5.Over The 修羅場 feat.B.D,BES,KGE
6.君の名は…(だってしょうがないじゃない) feat.DELI ,MUMMY-D
7.Dirty 30's feat.KASHI DA HANDSOME,MACKA-CHIN
8.Juicy(Life/Live Pt.2) feat.PUSHIM
9.自由帳 feat.RYUZO
10.FIRE!!!!(阿鼻叫喚) feat.ANARCHY
11.Shall We Rock? feat.EQUAL,TARO SOUL,竹内朋康
12.TA-KA-YO-U-JI(侍バウンス) feat.KREVA
13.こっちきてみな ~Flow On~ feat.COMA-CHI
14.自由帳 feat.MURO
15.反則(I'm So Kool) feat.JAY'ED,TWIGY
16.Murder Weapon feat.GOCCI,PAPA B,SEEDA
17.Don't Stop キボンヌ(Come Again) feat.DJ HAZIME,DJ KEN-BO,DJ WATARAI
18.Bright Lights, Big City feat.HUNGER,MISTA O.K.I,Mr.OZ

近年の日本語ラップにおける細分化は必然であり、リスナーにとって歓迎すべきことではある。しかし一方で過度の島宇宙化は、ジャンル内での表現を深さを欠いた記号にし、サブカルチャーとしてのエネルギーを削ぐことになりかねない。いきなり抽象論から入ったが、こうした状況下で大御所たるDABOが、これほど満遍なくヴァラエティに富んだメンツを一堂に集めたことは、自浄効果という点で無意味ではないはずだ。

で、肝心の具体的内容だが、全体として曲単位でのインパクトに欠くかなという印象。DABO監修らしく一曲一曲は丁寧に作りこまれているのだが、相対的にトラックのパンチが弱めな気がする。また、各人が無難にヴァースをこなすだけの、いわば「必然性のないマイクリレー」以上のコラボが僅かに限られるのが惜しい。その僅かが、次世代の旗手たるSIMONやCOMA-CHIのフレッシュさなのがせめてもの救いか。それでもさすがにヴォリュームは圧倒的で、ある程度ヒップホップに通じていればカタログ的に充分楽しめるだろう。願わくば、音楽性の面でも「外部に届ける」ことをより意識すれば、実効性のあるムーブメントになり得るのではなかろうか。