「EXIT」

SL-782007-08-27



1.INTRO
2.RAIN feat.SEEDA
3.DO MY THING scratch.DJ ISSO
4.いつもの話 〜BUTTER〜 feat.BRON-K,WAX,TKC
5.SKIT
6.黄昏公園
7.23時各駅新宿
8.KANAGAWHAT!! 〜STAND UP〜
9.IN DA HOOD
10.成田発 KUALA LUMPUR 2002便
11.RODEO CHASIN’ feat.GANGSTA TAKA,STICKY
12.2 FACE feat.BES
13.BULLSHIT feat.SHIZOO
14.NEXT

ヒップホップにおいて音楽性を増すことと、「リアル感」は往々にして相反関係にある。だから、たとえばMSC(特に漢)は、徹底的にヴァイブスを廃することで裏街描写を実現している。そこを上手く両立させたのがSEEDAの「花と雨」だが、あのスタイルはあくまで突然変異的なものだ。そのSEEDA周辺のMCであるNORIKIYOのファーストアルバムは、ごくスタンダードなアプローチながら先述の両要素を兼ね備えたハイレベルな一枚となっている。それはひとえにパンチのある声質ではないが巧みなフロウによるところが大きい。そしてなにより過剰な自己言及や演出よりも、身近で生々しいトピックを主とするリリックは、今のストリートの気分によくマッチしている。BACH LOGICによるドラマティックな楽曲群もいいが、シンプルなビートを淡々と乗りこなすM3やM9のがむしろ新鮮。またI-DeAの哀感溢れるトラック上で脇役に徹したBESが華を添えるM12は本作最大のハイライトと言えるだろう。