「Sprout」

SL-782007-04-19



1.SHINGO's Dinner
2.ILL西成BLUES -GEEK REMIX-
3.諸先輩方からのお言葉
4.地元LOVE
5.運命のイタズラ
6.Come on!
7.パーティといてまえと私
8.苦労すフィンガー
9.こっちみ〜
10.PARTYのはじまり ft.勝
11.不適切な発言 ft.02
12.SKIT
13.いい漢じの異端児 ft.漢
14.手あGhetto ft.CHIEF ROKKA
15.GREAT MUSIC ft.TARO SOUL
16.MCは2度ベルを鳴らす ft.TARO SOUL
17.のんびりと行こう ft.ARIA
18.クラップさん ft.ARIA
19.U.Y.C

彼のアイデンティティは、無骨ながら確かな日本語的ライミングよりむしろ、気取らないそのキャラクターにこそある。コテコテの大阪弁で赤裸々に綴られる「痛み」はおしつけでなく万人の胸に響き、ユーモアは知性とマナーに基づいているから単なるお笑いにならない。要するに、既存の様式を自らの世界観に組み込み、エンターテイメントに昇華させる術に長けているのだ。今回LIBRAからファーストフルとなる本作をリリースするにあたって用意された、比較的メジャー寄りなトラック群はそうしたメソッドをうまく際立たせている。M7・M14といったアゲチューンからM17・M18の歌モノに至るまで、いかなる定番トピックにおいても自身のカラーを損なっていないのはたいしたものだ。中でも極めつけはM19で、これほど人間味のあるラップは他に類を見ない。ただ、全体としてはもう少し構成を絞ってもよかった気もする。それにしても、テクニックでなくヴァイブスでリスナーをロックしてしまう彼の存在自体が、実に魅力的だ。