ジブさんインタビュー


ZEEBRA:ヒップホップは広がりがあっていろんなことができるから、俺もその中で可能性をいっぱい提示してきたつもりだけど、あくまでそれは広がる可能性なだけであって、そのコアにある柱はカチッと固めておきたいなっていうのが俺の感じてること。一般の人たちがヒップホップってなんだろう?って言ったときにTVに出てくるラップを指して言うようになってくると思うし、そっちの流れはどんどん強くなってる。だからやっぱそっちのゲームでも戦って勝てないと昔のものになっちゃうから、もう一回俺がハタ振るかなっていう気にはすごいさせられてる。

――前のアルバムは一面、リアルタイムで動いてるUSヒップホップの音楽性と日本語ラップを結びつける内容でもあったと思うんですけど、次作でそこは変わってきそうですね。

ZEEBRA:ヒップホップで一番大切なのはバランスだと思う。例えばすごいギャングスタな奴らもいてインテリジェントな奴らもいて、すごくメジャーな奴らもいてすごいアンダーグラウンドな奴もいてっていう。その中で俺はUSと違うヒップホップをやろうっていうことではなくて、ヒップホップっていうユニヴァーサルな音楽をどういうふうにしてったらいいかっていうチョイスの一つをやってるんだけどね。ただ、落ち着いて聴ける話っていうところが次のアルバムではポイントになってくると思う。パワー、ユニティ……メッセージ性ってことなのかな。もちろんパーティ・チューンも好きだし、ヒップホップで踊るってことをすごい大切だと思ってるからそこは外せないけど。

あのポジションにいながらにして、シーン全体を見据えつつ確信犯的に自らの立ち位置をコントロールしているという点でやはりこの人はたのもしい。シングルだけではまだ次作のビジョンは知りようもないが、「ヒップホップで踊ること」をヘッズ達にもう一度思い出させてくれるのを期待している。パワーとかユニティって、それこそまさに「強度」(=タフネス)そのものやもんな。