日本語ラップとの出会い

なんともヒネリのないタイトルだがそこはご容赦いただき、今回はグダグダと掲題について語ってみようと思う。初めて日本語ラップの音源を聴いたのはおそらく98年頃、学生時代ツレに借りたシャカゾンビの「手のひらを太陽に」だったと思う。当時俺はおもにアメリカのラウド・ミクスチャー(レイジとか)をよく聴いていて、ヒップホップのヒの字も知らなかった。つまり、最初にちゃんと聴いたヒップホップが日本語ラップだったわけである。で、その時の感想はというと、なんかだるくてのれねえなー、とか妙にお笑いくせえなーとかそんな感じだった。そんとき一緒に借りたNASRAKIMはまあ流すにはいいかな、という感じで軽く聴いていた。これが俺のヒップホップ原体験と言えるだろう。んでまあそのツレにテキトーにヒップホップも悪くねえなとか話してたらインストものなどをさらに何枚か貸してくれたわけだがどうにもついていけず、こんなもんかと思っていたとき衝撃を受けたのがDJクラッシュ「未来」収録の「新世界 feat.RINO」だった。クラッシュの作品中唯一日本人ラッパーを起用したこの曲は、削ぎ済まされた糞ドープなトラックに神がかり的なRINOのラップがからみつく珠玉の逸品で、俺はもう完全にやられてしまった。ベタやけど「日本語でもこんなにかっこいいラップができるのか!」とw。それをきっかけに、今とは雲泥の差ほど少ない量ではあったがひととおりの日本語ラップ音源を聴いてみた。人間発電所はやはりスゲーなと思ったし、証言のTWIGYのヴァースに度肝を抜かされたのもよく覚えている。あの「Grateful Days」がヒットしたのもこの頃だったっけか。どうにもDAが好きになれず、その延長で食わず嫌いしていたZEEBRAもツレにファースト(「ライムアニマル」)を借りてからはいかにすごいMCなのかからだで理解できた。しかし当時俺の中でRINOを越えるMCは結局現れなかった。そんな折発売されたのが今でもヘッズたちにクラシックと称されるライムスターのサード、「リスペクト」だった。このアルバムは本当によく聴いた。本当の意味で初めてハマった作品はこれかもしれない。最初に生で見たヒップホップのアクトも彼らだったのでなおさら思い出深い。そして翌2000年、かのDA「Deep Impact」と「NITROショック」で日本語ラップバブルが幕を開ける頃にはこのジャンルがすっかり俺の中でスタンダードになっていたのである。。(たぶん続きません)